独立行政法人 水産総合研究センター 水産工学研究所

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増殖場造成
 

イセエビ礁に着生した海藻

人工魚礁に集まるウスメバルの群


【増殖場とは?】
 「増殖」とは、ある生物が生まれてから死ぬまでの一部に人間が手を貸すことで、自然の状態では増えない資源を増やそうとすることを言い、人間が特定の生物の成長の手助けをするために造成した場所を「増殖場」と言っています。
 例えば、産卵に必要な海藻が生い茂ったり、生まれたばかりの子供の隠れ家となったり、あるいは成長に必要な餌となるるものが増えるような場所を自然石やコンクリートのブロックを使って作ります。

【どんな生物の増殖場があるか?】
 様々な水産生物を増殖の対象としていますが、代表的なものとしては、マダイやヒラメなどの魚類、アワビやアサリなどの貝類、イセエビやズワイガニなどの甲殻類、コンブやホンダワラ(産卵場や餌として)などの海藻があげられます。

【どのような研究をしているか?】
 長年の調査や研究によって増殖場の役割は徐々に判ってきましたが、増やしたい生物のすべてについては判っていないことがたくさんあります。また、日本の周りにはいろいろな海域があり、それぞれの場所で増殖に求められる技術の内容が違います。
 私たちは、生物の種類ごとにどのような増殖の方法が適切な方法であるか、どのような形状・大きさの増殖場を作れば良いのか、などについて調査・研究を行っています。
 また、増殖場は私たちの生活に必要な水産物を増やし、最終的に漁獲するために作られていますが、広い海の中で適正に漁獲し、小さな生物はすくすくと大きくなってもらう必要があります。
 このように、安定して生産することができて、将来にわたって資源を維持できる海の環境を作るためにはどのようにすれば良いのかについて研究しています。

 


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