独立行政法人 水産総合研究センター 水産工学研究所

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人工魚礁
 


【人工魚礁とは?】
 海の中で、海底から突き出た岩山のようなところは魚が多数集まり、陸上の森や林の役割を果たしています。このような場所を「魚礁」あるいは「天然礁」といいます。
 こうした場所と同じ機能を発揮するようにコンクリートブロックや鋼製の人工の構造物を海底に設置したものが「人工魚礁」です。

【なぜ魚礁に魚が集まるのか?】
 魚礁に魚が集まる理由として、隠れ場、休み場、産卵場、餌場など魚が生きるために必要な機能が備わっているからと言われています。隠れ場は、小さな魚が大きな魚に襲われたときに身を守るために必要です。休み場は、流れの速いところで泳ぎ続けることが難しいときに休息する場となります。産卵場、餌場については、産卵に必要な海藻などが多いこと、多くの種類や大きさの違う魚が集まること、プランクトンが食べやすいこと、カニやエビ、フジツボなどいろいろな餌生物が棲息することなどで好適な場所となっています。
 また、魚礁には音や影、流れの変化があり、そのために魚が引き寄せられるとも言われています。音とは、魚礁の岩や穴に生息するフジツボやカニなどが出す音、流れが岩にぶつかって変化するときに出る音などがあります。

【どのような研究をしているか?】
 長年の調査や研究によって人工魚礁の役割は判ってきましたが、なぜ魚が集まるのかについても魚礁に集まる個々の魚についてはわかっていません。
 私たちは、魚の種類ごとにどのような理由で魚礁に集まってくるのか、どのような形状・大きさが良いのか、などについて調査・研究を行っています。
 また、人工魚礁は私たちの生活に必要な水産物を漁獲するために作られていますが、漁業者の方々が魚が捕りやすい場であると同時に、小さな魚などが守られる場となっている必要があります。
 このように、魚を安定して生産することができて、将来にわたって資源を維持できる海の環境を作るためにはどのようにすれば良いのかについて研究しています。

 


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