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日本には約2,900の漁港があります。
漁港の役割は何でしょうか。単に魚を陸揚げするだけではありません。ほかにもいろいろな役割があります。それらを簡単にまとめると,次の通りです。
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漁船がとってきた魚を、陸揚げする。
A
荷さばきやせりをする。新鮮な魚介類を消費地に出荷する。
B
漁船に氷や油、網などを積み込むなどの出漁の準備をする。
C
漁船を安全に係留する。海が荒れた時に船の避難場所となる。漁船の修理もする。
D
魚をとる網や養殖用のいかだなどを保管する。また,網が破れたりしたら修理する。
E
その他、水産加工業の基地としての利用、漁港背後の集落を津波・高潮から保護、災害時の物資の積み卸し、小さな魚の養育場としての機能、釣りや祭りなどの遊び場としての利用、離島や辺地における定期船の就航、海を監視する等、この他にもたくさんの役割があります。
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漁港の形状
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漁港を上から見ると、上の図のようになります。防波堤(ぼうはてい)は、荒波をさえぎるためのものです。防波堤の内側を泊地(はくち)といい、波があまり入ってこないので漁船を安全にとめておくことができます。岸壁では、漁船からの陸揚げ、漁船への積み込みなどの作業が行われます。またその後ろの土地では、せり、網の保管や修理などが行われます。またトラックへの魚の積み込みや、魚の加工なども行われます。
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安全な施設づくり
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防波堤や岸壁などは、横から波の力をうけても動かぬよう、また、自分自身の重さで沈むことの無いようにしなければなりません。
安全な施設をつくるためには、まず波の強さと地盤の様子を調査することが必要です。
地盤が弱いところでは、くいを深くまで打ち込む、あるいは地盤を固めて強くするなどの工夫をしてやらないと、防波堤や岸壁が動いてしまいます。但しこうした工夫には相応の費用がかかります。
より安全に、しかもより少ない費用で施設づくりをすることが、いま課題となっています。
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働きやすい施設づくり
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岸壁では、陸揚げ、積み込み、網の修理などの作業がなされていますが、屋外ですので暑さ寒さ,雨風雪といった気象条件にさらされます。また防波堤が有るとはいえ、波が高いときには港の中にも波が入ってきて漁船が揺れ、積み込みや陸揚げが困難になります。
このように漁港での仕事は、自然条件の影響を受けやすく、時に過酷な作業となります。自然条件の影響を緩和して働きやすい環境を確保する、そんな施設づくりが課題となっています。
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漁港の整備計画について
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漁港は日本全国いろいろな場所にあり、中には波や風の激しいところにある漁港もあります。そんなところではより大きな防波堤が必要です。波や風や地形といったものはその場所によって違っているので、どういうふうに漁港を造れば良いのかをその場所ごとに考える必要があります。
そのためには、漁港の中でどこが危ないのかを知り、どの場所に防波堤を造れば安全な漁港になるかを正しく予測することが大切です。
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