独立行政法人 水産総合研究センター 水産工学研究所
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 平成23年度水産工学関係研究開発推進会議 (水産業システム研究部会・漁業生産技術部会合同部会)を開催いたします。
 〜 漁業・養殖業の生産性向上のための水産生物行動の工学的観察手法 〜
 
 水中生物の行動研究手法は、自然観察、水槽観察、漁獲資料解析などに大きく分類される。自然観察としては、飛行機、スキャニングソナーやカメラなどの工学機器、潜水装置などを用いた方法、水槽観察としては、平面のみならず立体的観測を可能とする2台のカメラの視差を利用したステレオ撮影による対象生物の3次元的位置解析などによる方法、漁獲資料解析によるものとしては、操業時間や漁法の違いと漁獲量や漁獲魚種の比較から生物の行動特性を推定する方法などが挙げられる。自然観察は直接的な方法であるのに対して、水槽観察や漁獲資料解析などは間接的な方法と言える。
 漁業・養殖業を対象とする場合には対象とする水生生物の行動のありのままの姿を知ることが肝要であり、そのためには現場における自然観察が最も重要となる。従来からの方法としては飛行機を利用したイワシ等の魚群行動・性状の観測や工学機器である魚群探知機、ソナーあるいは超音波発信装置などの音響機器を利用した漁具周辺や生け簀内部における行動観察や水中テレビカメラなどによる漁具への入網過程や生け簀内での行動観察などがある。さらに、潜水などにより直接目視することも大切な方法と言える。近年では、音響カメラなど超音波を利用して対象生物を映像化し、光が全く存在しない環境下であっても対象生物の観察を可能とする技術も開発された。
 本部会では最近の先端技術を活用した研究事例を紹介するとともに、今後の漁業・養殖業の生産性向上を目指した研究への先端技術の活用について、現状の機器及び技術上の問題点を精査しつつ論議する。

 
平成23年度水産工学関係研究開発推進会議
            水産業システム研究部会・漁業生産技術部会合同部会
 
テーマ:漁業・養殖業の生産性向上のための水産生物行動の工学的観察手法
 
日 時:平成23年12月6日(火)13:00〜17:00
 
会 場:農林水産省共済組合 南青山会館 会議室
   (東京都港区南青山5丁目7-10 TEL:03-3406-1365) 
 
議 事
13:00−13:05 開会挨拶 水産工学研究所長 津端英樹
13:05−13:15 趣旨説明 水産業システム研究センター長 渡部俊広
13:15−13:35 スルメイカの釣獲状況の連続モニタリング手法の開発
       石川県水産総合センター 四方崇文, 水産工学研究所 高山剛
13:35−13:55 超音波発信器を用いたサクラマスの降海と遡上行動の追跡
       北海道区水産研究所 大熊一正 
13:55−14:15 アーカイバルタグを利用した魚類の行動研究
       水産工学研究所 長谷川英一
14:15−14:35 漁業・養殖業のための水中映像遠隔監視システムについて 
       東京海洋大学 秋山清二
14:35−14:50 休憩
14:50−15:10 未利用資源を対象とした音響手法による魚群の行動性状計測
       −日本海産キュウリエソを対象として−
       水産大学校 濱野明
15:10−15:30 新・陽光丸に搭載されたマルチビーム魚群探知機の紹介と今後の展望
       水産工学研究所 阿部幸樹
15:30−15:50 広帯域スプリットビームソナーによる魚群の尾数計測と行動軌跡
       水産工学研究所 赤松友成・今泉智人・阿部幸樹
       東北学院大学 伊藤雅紀・松尾行雄, 古野電気 王勇・小河慎二・西森靖 
15:50−16:10 音響カメラによる水産生物行動の観察
       日本海区水産研究所 本多直人
16:10−16:55 総合討論
16:55−17:00 閉会挨拶 漁業生産工学部長 宮野鼻洋一

*参加を希望される方は、FAXまたはメールで下記の連絡先へお申し込み下さい
 (参加申込書:PDF)
 


連絡先
水産工学研究所 水産業システム研究センター エネルギー利用技術グループ
長谷川英一 TEL:0479-44-5920  FAX:0479-44-1875
     E-mail:eih@fra.affrc.go.jp


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