平成13年度 水産基盤部会
 
1.日 時:平成13年12月10日(月) 13:00〜17:30
 
2.場 所:水産工学研究所 研究管理棟 会議室
(〒314−0421 茨城県鹿島郡波崎町海老台)
 
3.部会テーマ:海洋深層水を用いた新たな漁場造成の可能性
 
4.開催趣旨
富栄養性、低温性、清浄性といった特性を持つ海洋深層水利用技術の開発は、科学技術庁による「海
洋深層水資源の有効利用技術の開発に関する研究(1986-1990)」により始まり、試験研究を目的に室戸
三津(高知)に海洋深層水の取水施設が我が国で初めて整備されました。その後、水産生物の種苗生産
や漁港内の衛生管理等を目的に、日量数千トン規模の海洋深層水の取水施設が、室戸高岡(高知)、新
湊・滑川(富山)、久米島(沖縄)に整備されております。現在、入善(富山)や焼津(静岡)で整備中です。海
洋深層水は水産分野を核として食品分野や医療・健康分野で利用されており、また幅広い分野における
活用が期待できるため、海洋深層水の取水施設を地域振興の中核施設と位置づけ、整備を計画する自
治体も多くあります。
日量100万トン規模の海洋深層水を取水し、発電効率の大幅改善や大規模な産業利用を可能とする技
術開発を目指して、資源エネルギー庁による「エネルギー使用合理化海洋資源活用システム開発研究
(1999-2003)」が行われております。その中で、海洋深層水の富栄養性を生かした沿岸域の肥沃化技術
の開発が検討されています。一方、水産分野においても、高い漁業生産性を持つ湧昇流域に着目して、
海洋深層水を大量取水し表中層に放流することで、沖合域における漁場造成技術開発を目指す「深層水
活用型漁場造成技術開発研究(2000-2004)」が行われています。海洋深層水の取水域、放水域が沿岸
域か、あるいは沖合域かの相違は有るものの、海域を肥沃化し漁業生産性の向上を図る技術開発である
点では一致します。
漁港・漁場整備部局の統合、漁港漁場整備法や水産基本法の制定、漁港漁村整備事業と沿岸漁場整
備開発事業が水産基盤整備事業として再編される等、水産行政を巡る情勢は急激に変化しております。
漁港の衛生管理や水産物の安全性確保が厳しく問われており、そのため、水産庁では海洋深層水の積極
的な有効利用を図るため、海洋深層水の取水施設を整備しております。水産工学関係試験研究推進会議
水産基盤部会では、海洋深層水の多目的利用の一環として、海洋深層水の利活用した沿岸域の肥沃化
や、沖合漁場造成の可能性について論議し、技術的な問題点を整理し、水産研究としての方向性を探るこ
とを目的として開催いたします。
 
5.議事次第









 
@ 開会挨拶 萩野 静也(水産工学研究所長)
A 趣旨説明 高木 伸雄(水産土木工学部長)
B 深層水利用 −現状と課題− 明田 定満(水産土木工学部)
C現状報告


 
沿岸域における漁場造成の課題(仮題) 池田 知司(JOIA)
沖合域における漁場造成の仮題(仮題) 金巻 精一(MF21)
深層水を用いた今後の水産基盤整備の方向性(仮題) 間辺 本文(水産庁)
 
E総合討論
 
テーマ:深層水を用いた新たな漁場造成に向けて 司会:高木 伸雄(水産土木工学部長) 
F 閉会挨拶 松村 皐月(企画連絡室長)