項 目 | 外部評価委員の主な意見 | 対応方針と実施状況 |
評価について |
研究業績評価は,必ずしも研究成果・結果と比例しない。研究業績評価の在り方について幅広い検討が必要である。 | 本部を中心に方法の改良・試行を重ね,研究成果,努力,貢献度を反映できるよう改良を検討中。 |
調査・研究の連携について |
鹿島灘では外海の砂浜におけるヘットランドなどの構造物が,そこに棲む二枚貝に与える影響について懸念すべき問題が提起されている。今後ともこのような地域の問題や要望に対して水産工学的観点から取り組みをお願いする。また,水産試験場に対する協力や助言を期待する。 | 鹿島灘を対象とした「開放性沿岸域における流動・一次生産モデルの開発」研究を継続している。 水産工学関係試験研究推進会議でも鹿島灘はまぐりに関する共同研究の必要性が提起されている。今後,各関係機関の考え方を充分すりあわせ,連携協力態勢を検討したい。 |
職員の資質向上について |
研究員39人に対して学位取得者が少ないのではないか。 |
学位取得に向けてた指導を行い,15年度には1名取得の見込みである。また,現在,社会人留学制度などにより数名が学位取得を目指している。 |
調査・研究について |
北欧のように喫水の深い漁船が建造されることになれば,漁港の建設にも大きく影響する。したがって,環境,漁船,漁具等,全体を関連づける研究を進めるとともに今後の水産業の在り方についても関係者で幅広く論議することが大切である。 | 水産工学関係試験研究推進会議の漁業技術部会(明日の漁船漁業を考える)を開催。この分野の関係者と漁船のあり方等について討議し,今後の取組について一定の方向性を整理した。なお,漁場や漁港などを含む,より大きな枠組みのなかでの検討は今後の検討課題として残されている。 |
次期中期計画の策定時には,社会的ニーズに対し多面的・全面型対応で行くのか,選択・集中型で対応していくのか十分検討する必要がある。 | 次期中期計画の策定の検討段階にあり,現在,将来構想検討委員会を中心に水産工学研究の重点化方向を模索中であり,指摘の点についても検討したい。 | |
国研の研究成果が政策決定に使いにくい傾向がある。これから社会的要請にどのように応えていくか十分検討し,成果の受け渡し先等を含め研究の方向性を決める必要がある。 | 「漁業技術研究・行政連絡会」,「環境政策研究会準備会」等を通じて意見交換を行った。今後とも,行政部局や関係者との情報交換を通じて,研究の方向性の検討に反映したい。 |
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漁港も産業面だけでの対応を考えていると行き詰まる。これからの漁港研究は,漁業者以外の人々のために何をするか,を考えるべきでないか。 | 将来構想検討委員会を中心に,水産工学研究の重点化方向を模索中である。 次期中期計画策定時に,漁村の振興に係る研究への対応についても検討したい。 |
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漁船の研究で,隻数の多い小型漁船も研究対象とすべきではないか。 |
現在,研究対象の重点化のため,主に中型漁船を対象とした研究を進めている。今後,社会的ニーズ等を勘案し,研究対象を絞り込む際に検討したい。 | |
成果の公表について |
水産工学研究所の研究者が発表した各種の研究成果,論文の要約版などの情報を水産試験場へ提供願いたい。 |
研究報告,技術報告の要約,主な研究成果及び学会誌等への発表課題リストを広報誌「しおさい」(19号)に掲載・発行,関係機関に配布。今後,ホームページの活用し,研究成果の広報に努めたい。 |
水産土木部門の研究論文の発表先が海岸工学論文集に集中している感じがする。内容に合った学会へ公表するべきでないか。 | 15年度の論文等の発表状況は,別添資料の通り。 今後とも,日本水産工学会誌など内容に見合った学会への投稿を指導していきたい。 |
項 目 | 改善を要する問題点等 | すでにとった措置 | 今後検討するもの |
調査・研究について |
中課題「安全性及び採算性向上のための漁業生産技術の開発」は概ね順調に進捗しているが,最終目標を達成するためには改善を要する課題も認められる。 | 当該課題については15年度計画の一部を変更し,調査結果の分析手法の検討を最優先に取組み,分析手法の骨子を固めた。 |
他分野の最新技術などの導入にあったては,関係期間等との情報交換及び研究連携の強化も検討する必要がある。 |
専門分野を活かした社会貢献について |
14年度から水産庁委託事業など新規業務の増加に伴い業務量が大幅に増加し,予算額や実施期間,人材・人員などから科せられた目標の達成が困難と予想されるものもある。 |
水産庁以外の受託研究に関する所内の取扱方針を定め,受託の可否を含め事前審査を実施している。 水産庁委託事業に関しては,予算要求の段階から,研究所と本部,原課との事前調整に努めた。 業務の一部をアウトソーシングも考慮し,効率的な業務の推進に努めた。 |
研究等支援職員(非常勤職員)等の雇用の活用を図る。 |
項 目 | 外部評価委員の主な意見 | 対応方針と実施状況 |
調査・研究について |
研究者数に対し要請される課題(特に事業関係)が多く,要請に如何に応えるのか工夫が必要である。推進会議や部会などを活用し,それらの研究支援グループとの連携強化あるいは業務の一部をアウトソーシングするなど,研究者の負担軽減と研究の効率化を目指してはどうか。 | 推進会議がその機能を有しており,今後とも関係機関や団体などとの連携並びに研究の組織化を目指したい。なお,水産庁委託事業などについては,既に業務の一部をアウトソーシングするなど,効率的な業務の推進に努めている。 |
水産試験場等からの推進会議(ブロック別・専門分野別)への研究ニーズ・要望に対して,例えば,地域に特定な研究課題の解決のため,水研センターとして必要に応じて海区水研,専門水研研究者が異動・結集して研究できる体制ができないのか。 |
水産業関係試験研究推進会議において全国的に対応すべき課題を採択し,本部の研究開発官や関連研究所が連携して対応する仕組みはあるが,現状では,研究員の異動による研究体制の組織化の仕組みはない。しかしながら,地域の問題解決に向けて,依頼研究員あるいは共同研究など各種の仕組みを活用して対応することは可能である。 | |
評価について |
効率化のもと人員は削減され成果が求められる。また,研究者の業績評価制度のもと,博士号取得や論文作成が優先されたり,先端技術志向が強くなり,現場対応型研究が減ることが懸念される。 |
これまでに,銚子地区の小型底びき網漁業の選択漁具の開発など,現場の問題についても取り組んできた。しかしながら,現場あるいは地域の問題についても限られた研究員で対応せざるを得ない状況にある。なお,研究者の業績評価制度については,必要に応じて改善を図ることになっている。 |
調査・研究について |
漁船漁業では,まず漁船と漁具を関連付けた漁業生産システムとしての研究,安全性あるいは採算性の研究,さらには漁港施設あるいは労働環境などとの関連も考慮した総合的な研究が必要と考えている。それらの研究ができる環境にある水産工学研究所に対する期待は大きい。 | 今期の中期計画の策定時に,この5年でそれぞれの要素技術の確立を,次の5年で漁業生産システムの研究を計画した。また,15年度の所内プロ研として漁船と漁具の総合的計画手法の開発を試み,一定の成果を得た。今後,ご指摘のようなさらに幅広い問題とも関連付けた研究につながる研究を目指したい。 |
研究成果は,漁業者や国民が納得できかつ現場に普及できる成果であることが必要と考える。そのため,研究機関としては,これまでと比較してどこまで研究が進んだのかを明確にすること,その研究の出口をわかりやすく示すことが必要不可欠である。 | ご指摘の点を十分に考慮し,成果の公表あるいは当所の研究活動のPRに努めるとともに,実際の現場で活用される技術の開発に努めたい。 |
項 目 | 改善を要する問題点等 | すでにとった措置 | 今後検討するもの |
・特になし |